生まれ育ったのも西宮界隈です。このあたりは大きく変わってはいないですけど、大きなお屋敷が売りに出されて戸建てやマンションになったり、昔は多かった大企業の社宅が時代とともに普通のマンションに変わったりして、住民の数は増えましたね。
全国どこでも開業できる仕事なのに西宮を選んだのは、やっぱり地元が好きだったから。同級生でもこの地域に残っている人間が多いので、暮らしやすい地域なんだと思います。
高校では野球、大学ではアメリカンフットボールをやっていたので、整骨院へは高校時代から通っていました。就職を考えた時に、ふと「この仕事はどうやったらなれるんだろう」と調べてみたのがきっかけで、大学卒業後、国家資格を取得するために専門学校に通い始めました。
師匠のもとで働きながら学校へ行かせてもらい、鍼灸師(はり師・きゅう師)で3年、柔道整復師で3年、合わせて6年間学校に通って、両方の国家資格を取った時には28歳になっていました。その1年後に独立し、現在までずっとここで整骨院をやっています。
来院される患者さんは、近隣の方がほとんどです。この地域はスポーツをされている方がわりと多くて、特にテニスやゴルフをやっている方がどこかを痛めて来られることが多いですね。
僕が心がけているのは「患者さんがやっているスポーツを長く続けてもらいたい」という、その一心です。痛みがあって来院される方にスポーツをやめさせるのではなくて、なんとか続けながら良くしていけるように、できるだけ継続させてあげられるように心がけているんです。
もちろん症状によって休ませるケースもありますが、たとえば年配の方はいったん休んでしまうと、心肺機能が衰えて再開できなくなってしまうことがあります。1ヶ月休んで復帰した時にしんどくてやめましたとか、肉離れしちゃいましたとか、休んだがために別のところが弱ったり痛くなったりするんです。そうなると延々休まないといけなくなって、結局スポーツに戻れなくなってしまう。
だからある程度の範囲であれば、テーピングで補強して痛みを和らげながら続けてもらったり、行くだけ行ってみて痛かったら様子をみましょうとか、できる範囲のことを少しでも続けてもらうようにしています。アマチュアスポーツというのは、継続することが大事なことですし、楽しみでもあると思いますから。
患者さんから、YouTubeやテレビの情報番組で見た治療法が…という話が出てくることがあります。治療にも流行や新しいものが出てくるので、こまめに知識を仕入れたり講習会に行ったりしています。
20〜30年前からのやり方が悪いわけではないですが、それだけを推奨していたのでは古くなってしまう。今までやってきたことがブレないのであれば取り入れてもいいわけですし、相談に乗って良し悪しを判断するためにも新しい情報は常に気にしています。特に、流行り廃りに左右されやすい若い子たちにはきちんとアドバイスをするようにしています。
スポーツの現場にも、トレーナーという形で可能な限り出たいと考えています。現場に出るのって、やっぱり楽しいんですよ。僕がトレーナーをやっているアメリカンフットボールは、他の競技に比べると骨折や脱臼等のケガが多く、そういう時にどの様に対応するか選択を迫られる緊張感があります。
現場に入っているいろんな人から学ぶこともありますし、いい意味で刺激になって、自分のスキルアップにつながっています。チャンスがあればどんどん活動していきたいと思っています。
僕はこの仕事を、親のあとを継ぐとかまったく関係なく、「何かやってみたい」という思いで、自分一代で始めました。自分でお金の工面をして、こういう間取りや広さでやろう、結婚して子供もできたから広げすぎないようにしよう、確実に長い間やり続けよう…そんな風に自分の頭で考えながら、狭いところではあるけれども、これまでやってきました。
良くも悪くも数多くある選択肢の中から、全て自分で決断できる自営業の面白さであり楽しいところだと思っています。
久門整骨院
〒662-0945 兵庫県西宮市川東町4-19
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