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大前 繁明(おおまえ しげあき)学校法人大前学園 理事長

大前繁明

『学校は知識より生き方や心のあり方を教える場』

大前学園には全日制と通信制の4つの学校があって、ここ西宮には全日制の西宮甲英高等学院があります。学園のコンセプトは、“生きづらさを抱えている若者たちが幸せな未来を掴むための学校”ですね。生徒のほとんどが中学校時代に不登校だとか、学校には通っているけど勉強がすごく苦手だとか、学校そのものが合わないとか、発達障がいの傾向があるとか…そういう点で今の世の中に生きづらさを感じている子たちです。

大前繁明理事長

大前繁明理事長

カリキュラムや取り組みの面で一般の高校といちばん違う点は、実技・実習授業が多いところです。西宮校の方は商業実務、猪名川甲英高等学院は、農業ビジネスと、職業教育に注力して取り組んでいます。もともと学校が合わないとか学校が面白くないという形でアンマッチを起こしていた生徒たちには、「座学、座学、座学」というよりも、学びのアプローチを変える必要がある。と考えているからです。

新型コロナウイルスの流行による緊急事態宣言下の休校期間中は、オンラインでの“授業”というより“フォロー”の方に力を入れていました。オンライン授業は、シンプルに「面白くない」と思いますし、オリエンタルラジオの中田敦彦さんの動画には絶対勝てなかったりするじゃないですか(笑)。それよりも、心に傷があったり、気持ちのフォローが必要な生徒もいるので、そういう心のケアにオンラインを活用して、学びの方は課題を出して…という感じでした。

正直、座学はいらんのでね(笑)。学校がいらんと言うたらあかんですけど、ネットがこれだけ普及した世の中では、知識そのものの価値は下がっていますから。学校の役割というのは知識を与えたり享受する場を作ることよりも、人と人とのコミュニティを作ることや、そこでの生き方や心のあり方を教えることだと思います。今求められているのはむしろその部分ですし、特にうちのような学校がやるべきことだと思っています。

学園の教育理念に掲げている「3つのSai(再・才・彩)」の一つに、「まずは弱点を受け入れて“再”チャレンジしよう」というのがあります。「苦手を気にするな」ということです。「強み」とか「良さ」にフォーカスするのも大事なんですが、同時に「苦手があっていいよ」と伝えたい。

苦手があることによって、外に出ていきづらいとか失敗したら恥ずかしいと思うようなことは、誰しも経験があると思います。悪い部分を抱え込みすぎて、チャレンジできなくなっている。そこを払拭する作業をすごく丁寧にやります。誰にでも苦手なことはあるから、無理に克服したり正そうとしたりするのではなくて、苦手な自分と一緒に生きていこう、という心のあり方を教えています。

後藤直樹学院長

後藤直樹学院長

今年から掲げているのは「おもろい学校」というキーワードです。生徒一人一人が面白いことや夢中になれることを発見するきっかけになるような大人と、マッチングさせてあげたい。

うちの生徒たちは特に、ここまで育つ過程で、親と先生以外の大人とほとんど関わってこなかったんじゃないかと思うんです。「知らない人についていっちゃダメ」と教えられ、核家族化が進んで親戚づきあいや近所づきあいも減ってしまって、大人と接する機会がない。その中で出会った数少ない大人と相性が合わなかったり、疲れている大人ばかり見てきたりすると、大人に不信感を持ったり未来に希望が持てなくなるのも当然かなと思う。

「そういう大人たちばかりじゃないよ」と教えるために、例えば企業インターンみたいな形でもいいので、生き生き輝いているような大人と、どんどんマッチングしていけたらと考えています。

これからうちの学園に入ってくる年代の子たちの中には、「人生って面白くない」と思っている子がいるかもしれない。でも、つらいことは人生のうちに必ず起こるもので、乗り越えた時は逆に自分の力になってくれる。だから今しんどい思いをしたりふさぎ込んでいても、立ち上がることこそが何より大事だし、自分の人生の糧になると伝えたいです。

卒業していった子たちには、この学校で過ごしたことがいい思い出として残っているんだったら、顔を見せに来るだけでもいいから、ほんの少しでも、今いる子たちのためになることをしに来てほしいなあと思います。

西宮甲英高等学院

西宮甲英高等学院

 

学校法人 大前学園
https://www.kouei.ed.jp

学校法人 大前学園 専修学校 西宮甲英高等学院
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