『ただ、野球に関わる人生を送りたくて』

アナウンススクールを経営して10年になります。生まれは伊丹ですが、昔から野球が大好きで、ずっと甲子園に通っていました。今は念願かなって甲子園近辺に住んでいます。「どんな形でも野球に関わりたい」という思いで、人生を進んできました。

私の時代は女子のプロ野球がなかったのと、自分でプレーするには運動神経が悪かったこともあり、「せめて野球が強い高校に行きたい」と茨城県の常総学院に進学。その後駒沢大学に進み、野球部のマネージャーを務めました。

大学卒業後にスポーツ新聞社で働いていた時、ラジオパーソナリティーに応募して合格したことから、アナウンサー人生が始まりました。もともと私の母がアナウンサーで、オーディションの時にアドバイスをもらったりして、見事受かることができました。

ラジオ番組で取材に行くうちにウグイス嬢の存在を知り、「この仕事を一生の仕事にしたい」と思いました。ボランティアでもいいからチャンスがもらえないか、いろいろな野球リーグを自分で調べて、何度も何度も電話をかけました。

交通費も自腹、ボランティアであちこちへ行くような生活を3年ほどしていた頃、当時発足したばかりの四国アイランドリーグのチーム「高知ファイティングドッグス」に、職員兼アナウンサーとして雇ってもらうことができました。

そして、高知にキャンプに来ていたオリックスと練習試合をした時のこと。私のアナウンスを聞いてくださったオリックスの方に「NPB（日本野球機構）でしゃべる気はあるか」と尋ねられ「そのために修行しています！」と答えたら、晴れてプロ野球、オリックスに採用が決まったんです。

オリックス時代には「セクシー過ぎるウグイス嬢」としてメディアで取り上げられたことがあります。「面白いパフォーマンスをしてお客さんが来てくれたらいいな」と、少しでもお客さんを増やしたい思いで、ウグイス嬢っぽくないウグイス嬢をやってみたところ、話題になりました。球場に来ているお客さんに、野球の試合以外の部分でも楽しんでもらいたかったんです。

その後、甲子園界隈のスポーツチームということで西宮ストークスさんともご縁ができ、2018年からはアリーナアナウンサーを務めています。昨年のホームゲームではスポンサー企業名を読み上げていたのですが、普通に読んだだけではお客さんも右から左に抜けてしまう。

そこで「セクシーすぎるウグイス嬢」スタイルで読み上げたところ、みなさんがSNSに上げてくださって…お気に入りの企業名を挙げてくださっている男性もいました（笑）。「一社でも印象づけられるように」と考えていたので、自分の中でも手応えがありました。

自分自身が苦労した経験から、野球のアナウンサーを目指す人のためにスクールを作ろう！と始めたのが「Baseball Planning」です。私の若い頃は、どうすればプロ野球のアナウンサーになれるのかわからなかったし、その技術を教えてくれる学校もなかった。普通のアナウンススクールはいっぱいあったけど、野球のアナウンサーというのはなかったので、方法がわからなくてあきらめた人もいたと思います。

現在、スクールに登録されている方はかなりいらっしゃいます。卒業されたり継続されたりで、毎年100名近く入っていただいてますね。40代以上の方が多いですが、少年野球のアナウンスをされるお母さんや野球部のマネージャーをしている高校生など、さまざまな世代の方がさまざまな目的で来られます。

私自身いろいろと頑張って夢をかなえて、さまざまなことを経験してきたので、今度は生徒のみなさんにそうなってほしいと思っています。

スクールに来る人たちは「プロ野球のトップでしゃべりたい」という人もいれば、「野球少年たちのために盛り上げていきたい」という人もいて、みんな目標が違う。それぞれの目標があって、どれが上ということはなく、それぞれが目標とする場所でしゃべることができた、ここに来たら夢をかなえることができた。そうなってほしいと願って、いつも頑張っています。

個人的な目標としては、韓国のプロ野球が大好きなので、野球に関係する韓国語をいろいろ勉強しているところです。“韓国プロ野球界の日本人アナウンサー第1号”として『情熱大陸』に登場したいです（笑）。

株式会社Baseball Planning（株式会社ベースボールプランニング）

https://www.baseball-planning.com/